natura : data

河合政之

2016/02/06[土] - 2016/03/19[土]
Reception; 2016/02/06[土] 2016/02/06 [土] 18:00-20:00
MORI YU GALLERY KYOTO

natura : data : �ʐ^1

〈natura(ナトゥラ)〉とは、ラテン語で「自然」をあらわす。一方、〈data(ダータ/データ)〉とは、同じくラテン語で「与えられたもの」の意である。

データというと一般的には、科学実験や社会調査、コンピューターなどの人為的なデータが思い浮かぶかもしれない。だがいま一度、この〈data=与えられたもの〉という言葉に深く考えをめぐらしてみるならば、無限の出来事に満ちた自然=naturaこそ、何よりもまず私たちの眼差しに与えられたもの=dataなのではないだろうか。

自らの眼をヴィデオに接続し、自然と遭遇する。そのとき、流れ落ちる水の飛沫は形象を生み出す。身体組織の闇は鉱物のざわめきに溢れている。電子データと一体化したまなざしは、そうした変幻や震えと共振し、有機と無機の機(はたらき)を疎通する機=会となる。

あらゆる自然がデータとなって映ずるとともに、あらゆるデータは自然のはたらきとしてあらわれる。そしてヴィデオは、自然=データとして有為転変する世界を内側から観るための、固有の眼差しとなるのである。

(河合政之)