振り返る。とその向こうに

中山玲佳

2010/03/10[水] - 2010/04/17[土]
Reception; 2010/03/10[水] 18:00
MORI YU GALLERY KYOTO

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"「その果実を食べると迷宮に入るのか、それとも迷宮を吹けると果実がそこにあるのか、今わからない。
ただ、わかっているのは迷宮というのは一本道で、分岐がないことが特徴の一つとなっているらし「後ろを振り返ったり、先をぼうっと眺めてその向こうを見ようとしたり、
行ったり来たりを繰り返しながら日々を過ごしていることを意識し始めたのはいつ頃からだろうか?
そして、そのつなぎ目が、今このただなんとなく突っ立っているところ。急にぽーんっと跳びたくなる衝動。」
中山玲佳中山玲佳の作品には、花や動物が登場します。それらは中山が夢の中で出会ったものたちです。
メキシコ留学時代に体感した夢が中山の手によって現実世界に昇華され表現された作品群は
一種独特の神話のようなものを想起させます。そこに描かれた物語は、パッショナブルな彩りの地に
埋め込まれていきます。中山独特の色彩感覚から生み出された地は、メキシコ留学時にインスパイアされ、
近年どんどん洗練されていく様子が見て取れます。
ヴィヴィッドな背景美に浮かぶ黒い動物、鳥が羽ばたく瞬間、白熊が泳いでいる瞬間、
シマウマが背を向けた瞬間が、アクリルの上に鉛筆の繊細な線で描かれ、まるで動物たちの息づかいが
聞こえるかの如き印象は、背景の強さに負けない生き生きとしたものとなっています。
夢と現実という相反する状況を圧倒的な立体感で中山は見事に描き上げ、美しくもはかない一瞬が
鮮やかに一枚のキャンバスに込められています。背景と動物のつなぎ目に、我々鑑賞者をぽーんっと誘い込み、
様々な時間軸を体験させる中山の世界観は圧倒的なダイナミズムを孕みます。
振り返る。とその向こうに何が見えるのでしょう。

大阪・国立国際美術館で開催中の「絵画の庭」での展示も好評の中山玲佳。
また、関連企画の「街へ出た『絵画の庭』」もgraf大阪、カッシーナ・イクスシー大阪におきまして開催中です。
現実と夢想が交錯する中山玲佳ワールドをご体感下さい。